それは雨のあとのこと 雨の音が頭痛を酷くする。 自分が責められているような気がして耳を塞ぐ。 全てを否定してしまえれば、どれだけ楽なんだろう。 手首や身体に残る傷が全て消えてくれれば、俺は何もかも忘れられる。 左手で右の手首に触れると、チクリと痛みが走る。 愛だの恋だの、そんなものに興味は無い。 でもこれがそれ以外の感情で行われてるのだとしたら、一体何なのだろうか。 雨の日には決まってアイツが俺を犯す。 理由なんて知らないし、今後知ることも無いだろう。 けれど、俺はアイツの玩具でも、ましてや恋人などという甘い関係でもない。 なぜ俺なのだろう? と疑問を並べたことは数知れず。 それでも、アイツが乱暴に俺を組み敷くのを心のどこかで諦めている俺がいる。 アイツの眼が俺の全てを掻っ攫っていく。 金縛りにあったように動けなくなる。 何か思いつめたような、苦しげな表情で見下ろされると抵抗できなくなる。 「…何で、そんな顔するんだ」 「そんな顔ってどんな顔ですかァ?」 「…辛そうな顔、してんじゃねェかよ」 「…アンタは知る必要なんてないですぜェ」 「……そうかよ」 何も言わなければ俺も気に留める必要は無い。 だけどアイツは、大事な仲間だから。 放っておけるほど他人行儀な関係ではないから。 俺はまたアイツを拒めないだろう。 雨の後に何度後悔したって。 |
012:それは雨のあとのこと/銀魂:沖田×土方 沖田にいい様に遊ばれてる土方さんを書きたかったの…! でもエロはなんとなく書きたくなくて飛ばしちゃった。めんどくさかった訳じゃないよ! ウチの土方さんは総受けなのでいつか幸せにしたい。 '06.06.04 執筆 |